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楽天証券インタビュー

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最近、年金制度や老後の資産運用・対策についてのニュースを目にすることが多くなっています。人生100年時代と言われる中で、老後の資産に関して自助努力の必要性が協調される中、皆さんもiDeCoやNISAといった単語を聞いたことがあるかも知れません。
フィナンシャルクリエイトもIFA事業者として日々お客様へ様々な金融商品や、iDeCo・NISAといった各種制度の説明を行っていますが、まだまだ制度の認知度や理解が進んでいない、さらには利用者でも投資信託の選択に大きな壁があるということを強く感じています。
今回は幅広い金融サービスを提供している楽天証券株式会社(以下、楽天証券、敬称略)に、iDeCoやNISAといった制度に関して、金融サービスプラットフォーマーとしての想いや課題意識、取り組みなどについて取材して来ました。
ご対応いただいたのは同社 常務執行員 アセットビジネス事業本部長 兼 コーポレート本部長の由井 秀和さんと、ファンドアナリストの篠田 尚子さんのお二人。

フィナンシャルクリエイト西澤(以下、西澤)この度はありがとうございます。どうぞよろしくお願いいたします。
早速ですが、まずお二人がご担当されている業務内容についてお聞かせください。

楽天証券 由井氏(以下、由井、敬称略)この4月からアセットビジネス事業本部を担当しております。お客様の預かり資産、中でも投資信託など長期的な資産に関して総合的なサービス提供を管掌しています。

楽天証券 篠田氏(以下、篠田、敬称略)私は6年前から楽天証券にジョインし、投資信託のアナリストとして、国内公募投信のマーケット全般に加え、海外市場も含めてマクロもミクロも広くウォッチしてきました。
市場全体の分析、資金フロー(預かり資産の増減)などといったファンド分析や、個別ファンドについて運用会社への取材なども行っています。
アセットビジネス事業部では、動画・静止画など各種コンテンツの制作におけるコンセプト出しや、運用会社とのコラボレーション企画なども担当しています。

「楽天ポイント」で若年層を中心にお客様層拡大

西澤ありがとうございます。弊社もIFA事業者として楽天証券のプラットフォームを利用し、日々お客様へサービスを提供しておりますが、現在の証券・金融業界における楽天証券の特徴・強み・取り組み等について教えてください。

由井まず、お客様の層が対面証券会社とは全く異なる点があります。
60代から70代の年配層・富裕層ではなく、小額から投資する若年層の顧客がここ数年非常に増えています。特に楽天グループからの流入が多いのが特徴です。
以前はなかなかグループ内での循環・リンクを作ることができていなかったという問題がありました。
楽天市場は買い物でお金を「使う」側、証券は「貯めて増やす」側。
この相反する二つをつなげるのが『楽天ポイント』です。
楽天ポイントを利用することで、グループとしてここ2-3年お客様の広がりが実現しました。
今後はコーポレート本部長として、グループ会社との連携についても考えていく立場にありますが、一方で楽天ポイントはひとつのきっかけでしかないと考えています。
この1年間で当社の投資信託の積立設定人数がほぼ倍になったのですが、初めから投資がやりたいとか、投資が必要でお客様となったというわけではないんですね。
重要なことは楽天ポイントをきっかけに、投資・資産運用の階段を一歩上がっていただいたという点であり、これから我々が成功体験やメリットなど、投資における考え方をしっかりとお伝えしていくことで、徐々に投資に対する意識を変えていくことが必要だろうと考えています。

西澤弊社のお客様の反応を見てもやはり投資信託の購入にポイント還元がある点は非常に魅力的だと思います。楽天証券では取り扱う投資信託の銘柄ラインナップについては、どういったコンセプトや想いがありますか。
由井ラインナップについては、取り扱いできるものはすべて取り扱おうというスタンスです。
これは販売会社として、プラットフォームとして、幅広いお客様のニーズに対し十分な選択肢を提供したいという想い、それからシンプルにないよりはあった方がいいという観点です。

西澤ありがとうございます。現在御社では約2,700本の投資信託が選べますが、個人投資家のお客様がその取捨選択にとてもハードルを感じられているのを頻繁に目にします。すでに楽天証券のウェブサイトでは『ファンドセレクション』やランキング・スコアリングなどを提供されていますが、やはり一定程度、推奨や絞り込みという観点は必要になってくるかと思います。

篠田そうですね。表立って“推奨”と言うことは難しいところもありますが、やはり弊社の取り扱い銘柄約2,700本の中でも、アナリストの視点から良いと評価できるものは数十本に絞られると思います。

西澤なるほどその数十本を“推奨”するのは難しいんですね!

篠田そうなんです。具体的には弊社コンテンツの中で、私が取り上げている銘柄から察していただければ!(笑)

iDeCo・NISA/つみたてNISA、利用者増加もまだまだ改善の余地あり

西澤フィナンシャルクリエイトではリスク資産への投資において、基本方針として積立投資を推奨しています。
中でも税制メリットが享受できるiDeCoやNISA・つみたてNISAといった制度の利用を推進していますが、一般の個人投資家のお客様には、まず制度の理解が進まない、次に何に投資したらいいかわからないといった課題があると認識しています。
御社でもそうした制度普及に積極的に取り組みをされていらっしゃると存じますが、このような点ついてはどのように見ていらっしゃいますか?

由井まずつみたてNISAやiDeCoといった言葉の威力は十分出ていると思います。それまで投資信託しか知らなかったのが、そういうものがあると言葉として出てきていること自体は大きな進歩だと思います。
ただ、どちらも制度がまだまだ複雑である点が問題です。
NISAとつみたてNISAがあって、どちらか一つしか持てない、一人が一つの金融機関でしか口座を作れないといった点、さらにつみたてNISAでは年間拠出額40万円が12ヵ月で割り切れないといった点がありますね。
iDeCoにおいても、申込み手続きの煩雑さ、2号・3号被保険者の拠出限度額が揃っていないなどの課題があります。
こうした点はひとつひとつは小さなものですが、お客様が見たときにすっと入ってくるものが、いったん考えなくてはいけなくなってしまう。そこで壁ができてしまっているということが挙げられます。

西澤今後の普及においてはどういったきっかけが必要だと考えられますか。また、現在どのような取り組みをされていらっしゃいますか。

由井まずは制度の簡便化が政策として必要で、我々も協会など含めて働きかけています。
本音を言えば次の財政再計算で正しい姿を出すことが望ましいと思います。
年金制度自体の真の姿を出して、国民一人一人の自助努力が本当に必要だということを伝えることは大きなきっかけになるはずです。
ただ、制度改正を待っていても仕方がないので、楽天証券としては『トウシル』のような柔らかな話題から、良いものだ、お得だよといったコンテンツを通じて、そうした制度がメリットのあるものということを普通の言葉で簡潔に伝えていくことが出来ることかと考えています。
また、今後いろいろな場所で年金の話題を取り上げていこうと思っています。
iDeCoについては、弊社に関しては資料請求をいただいてから申込みにいたるまでに実に半分以上の方が途中であきらめられているんです。
理由として、申請書類がすべて紙であったり、事業所証明の印鑑が必要だったりといった手続きの煩雑さが挙げられます。
この辺りが大きく変わってくるとより申し込みやすい環境になる可能性が高いと思います。
iDeCoが本当に必要なのは今の20代30代の人たちだと思いますが、そういう方たちが手軽にやろうと思うとオンラインで完結する仕組みが必要です。
これも実は先ほど話した2号・3号被保険者の拠出限度額を揃えればできます。
そもそも2号・3号被保険者限度額を同額で揃えられれば事業所証明がいらなくなるためです。
こういった点は厚生労働省を含めいろいろと働きかけています。
最近はこういった話題を年金部会の業界ヒアリングにおいて各団体が働きかけもしており、議員さんからも賛同が得られたりしているので、もしかすると今後変化があるかもしれません。

篠田申込用紙1枚にしても我々の裁量では変えられないので、川上から変えていかないとなかなか一金融機関としてできることは限られており非常にもどかしく感じます。

西澤なるほど、確かにiDeCoの申し込み手続きは書類やり取りにかなり時間がかかりますね。利用者数の動向はいかがですか。

由井口座数でみると、2017年に公務員がiDeCoを利用できるようになってから2019年までの2年間の伸び方は非常に大きかったです。
楽天証券は2016年の秋から参入し、手数料の負担をはじめ、作業量軽減のために申請書を印字するなどの普及へ向けた取り組みを行ってきました。
SBI証券さんも同様にサービス強化をされてきましたが、この2社で8~9割の新規顧客を獲得できてきたのではないかと思います。
新しい企業の参入も見られ、楽天証券が参入したことによって、加入のしやすさや加入に対する認知度向上という点で貢献できてきたのではないかと考えています。

西澤つみたてNISAについてはいかがでしょうか。

由井つみたてNISAの加入の勢いは衰えていないです。
我々自身最初の頃は、株式も買えないこの制度は誰のためのものなのか、と正直半信半疑でした。
ですが、実はそこは反省点で、“証券会社の立場”でしか考えていなかったのです。
お客様の立場から考えると、ある程度選別されたファンドのみしか扱われていない、積立でしか買えない、ノーロードしかない、といった安心感のようなものがあるわけです。
実際にふたをあけてみると、想定していなかったお客様層が入ってきているというのが実感です。
しかも当初だけではなく、継続的に流入しています。
将来的な資産の形成の目的から、徐々に認知度があがってきているのも加入が衰えていない理由だと思います。

西澤つみたてNISAの手続きについても資料請求から申し込みまでにあきらめるお客様は多いでしょうか?移管も大変ですよね。

由井移管はたしかに難しいです。ただ、つみたてNISAの場合、iDeCoのように途中であきらめてしまうお客様は少ないです。

篠田スマートフォンでの申し込みが可能になったのと、一般NISAが始まった当初に比べて申請手順などが改善されてきているといった点があると思います。

楽天証券株式会社IFA事業部渡邊氏:ちなみに両者はつみたてNISAをやっているんですか?

篠田やっていないです(笑)。 

由井やっていない(笑)。僕は一般NISA。
(一同笑い)

西澤そうなんですね(笑)。何か理由はあるんですか?

篠田ファンドアナリストとしては、つみたてNISAはまだまだ制度として満足してはいけないとも思っていますし、やや半信半疑なところもあります。
一般NISAに比べ金額の中途半端さもありますが、ラインナップも今のままでは不十分で、金融庁の選定とはいえ同じようなインデックスファンドが何十本もあるような状態など、改善の余地が十分にありますね。
アクティブファンドの範囲もそうですし、金融庁としてもう少し規制を入れるといったことがあり得るのかなども検討していく必要があります。この形ならいっそ「ターゲットイヤー型」と「インデックス型」だけというのもひとつの方法だとも思います。
採用銘柄も川上の方でもう少し選定ガイドラインの整備が必要ですし、運用会社の方でもいずれ道が分かれるときが来ると考えています。
我々販売会社としては、今後入ってくるお客様と今すでに利用されているお客様の状況を鑑みながら、しかるべきタイミングで提言をしていく必要があると考えています。

西澤確かに、同じインデックスを参照するファンドがいくつもあって、何か大人の事情が裏で働いているのではないかとも勘ぐってしまいますね。

篠田大人の事情は多分に反映されているのではないかと(笑)。
ただ、やはりもう少しスリムにさせないと更なるすそ野拡大を狙うのは難しいのではないかと思います。例えばそれこそ全国民に利用してもらうといったレベルまで考えるならもっとシンプルにしないといけないですね。
金額もラインナップもそうですし、提案の方法についても、もっとリテラシーの低い方に対して、ある程度“決め打ち”のような形で「こういった方にはこのタイプ」というような提案もできるようにした方がいいのではないかとも考えます。

由井楽天証券としても、先述のようにラインナップはできるだけ多く取りそろえるという施策を推進する一方で、お客様サービスとして「絞っていく」といった取り組みが必要と考えています。
例えば『ファンドセレクション』という形で半期ごとに篠田から中立的に見たファンドというのを提案していたり、『ロボアドバイザー』という形でいくつかの質問によって絞ったものを提示したりといったサービスがあります。
お客様ご自身でやってもらうことはもちろん可能ですが、一定程度我々の方で絞り込み=「スクリーニング」をすることによって、“選びやすさ”を提供していくことも重要だと考えています。

投資信託は“お宝銘柄探し”ではなく「スクリーニング」

西澤弊社ではお客様向けに、積立投資における投資信託の『推奨ポートフォリオ』レポートを作成していますが、まさに一番初めに行うのは同じインデックスを参照するファンドの絞り込み作業ですね。先ほどおっしゃっていたように“推奨”と言うことはなかなか言えないということですが、「スクリーニング」についてもう少し具体的にお話しいただけますか。

篠田投資信託というのは結局のところ「スクリーニング」にかかっていると言えます。いいものを選び出すというよりも、余計なものを削いでいくというのが正確です。
残ったものの中から、「持続可能性」などの細かな条件等を検証していくという作業をします。
銘柄の選定においては、ある程度スクリーニングの方法というものを個人のお客様にも覚えていただくことによって、答え合わせがしやすくなると思います。
多くの方が誤解されているのですが、投資信託の場合、株のように“お宝銘柄を探し出す”のではなく、しっかりとした選定基準で絞り込めばちゃんとしたラインナップが残るということをお伝えしたいです。

西澤ごもっともですね。“しっかりとした選定基準”については程度やレベル感もありますね。

篠田例えば、日本酒におけるお米の削り方のようなイメージです。ファンドアナリストが、(米粒の中心のわずかな部分を使う)純米大吟醸のような純度までお米の削ぎ落しをしているとして、一般の方ではもう少し粗く削っていても大きな問題はありません。どの程度の「粗さ」で削るかというレベル感になってくるわけですが、お客様それぞれのコスト感覚や、すでに現物株式を持っているといった諸条件によって、色々な切り口のアプローチが可能です。
社内においてはスクリーニングにいくつかの段階をもっており、どの段階のものを出していくかは、例えば“初心者のお客様向け”などはターゲットを広くするといった調整をしています。
中・上級者で、ご自身で選ぶのが楽しいという方は『投信スーパーサーチ』のようなツールを使っていただいて、そうでない方にはやはりこちらである程度スクリーニングしたものを見ていただくといった、どんな方でも使いやすいサービスを目指しています。

西澤iDeCoの採用銘柄には選定理由・コメントが付されていますよね。

篠田実はiDeCoの銘柄選定理由は作らなければいけないものなんです。
特にガイドラインは定められておらず、書き方は各会社にゆだねられているので弊社ではあのように載せています。
ただ、その他の公募投信についてもやはりそういったご要望をいただくことが多いですね。
私が『ファンドセレクション』で選んでいるものについては半期ごとに十数本の銘柄がピックアップされており、銘柄紹介のページにコメントが載っています。
ただ、それ以上の範囲の拡大や定期更新となると、理想はやっていきたいものの、現実的に手が回らない事情があります。

西澤具体的に篠田さんは投資信託の分析においてどういった観点を重視されていらっしゃいますか?

篠田ファンドアナリストとしては、運用会社の体力など「持続可能性」というものをかなり厳しく見ています。
『ファンドセレクション』含め、私が何らかの形で関与したものについては実はそこを重要視しています。
パッシブファンドであればあまり問題はないですが、綿密なリスクコントロールをする設計のものや、ファンドマネージャーの目利きに頼っているものなどは特に運用会社の体制に大きく依存する形となります。特につみたてNISAのように20年間といった長期で積立投資をすることを考えるとそこは非常に重要で、日本において20年間同じファンドマネージャーがずっと担当しているファンドというのはほぼないのが現状です。

IFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー)の役割と期待

西澤ありがとうございます。
最後に、楽天証券として弊社のようなIFA事業者に期待することについてご意見をお聞かせください。

由井まず、より多くのファンドを取りそろえている点についてお話ししましたが、IFAというプロの目から見てそれぞれのお客様のニーズに合った商品を広く自由に選んでもらいたいと思います。そのための取り扱いが多い方がいい、そのようなプラットフォームとしては十分使っていただけるレベルにあるとは考えています。
IFAという対面チャネルでは、ネットと違っていろいろなタイプのファンドについて、どうしてそれがいいのかといった背景をより詳しく説明することができると思います。
IFAの皆様には、それぞれのお客様のニーズに対して適切なものを紹介していただきたいというのが一番期待するところです。
さらに我々としても、定性的な部分を含めた運用会社としての想いをもっとIFAの皆様に伝えていくことでお客様へ訴求していけるような環境を整えていきたいと考えています。

篠田ネットではどうしても一方向のコミュニケーションとなってしまいますからね。

由井例えば、手数料が安いファンドがいいという観点もありますが、一方であえて手数料を取っているものもあり、その背景などは簡単には伝わらないんです。
スクリーニングをかけると一発で外れてしまう。しかし、手数料を取っていることにその分の価値があるということは、IFAの皆様でないと伝わらない部分だと思っています。
ともすればつみたてNISAなど手数料をとることが“悪”のようにも見られがちな面もありますが、そうではないというファンドもあるのは事実だと思います。

篠田コストには理由があります。特につみたてNISAなどは運用会社も本当にぎりぎりのコストラインでやっているのが実情です。
こういったことはネットの定量的な情報発信からではなかなか伝えられませんが、IFAの皆様がそういった点をお客様へ伝えていただけると大変有意義だと思います。


今回の取材では、いわゆる対面チャネルを持っていないネット証券として、楽天証券が持つお客様サービスへの“想い”という切り口でお話を聞いてみました。
終始なごやかな雰囲気で、ご同席された社員の皆様の話しぶりからも、社内の風通しのよさや信頼関係が肌身に伝わってきました。トップの物腰が組織に反映されるとてもいい例を見せていただいたと思います。
最後に、改めて今回の取材に快く応じてくださった由井様、篠田様をはじめ、ご協力いただきました広報部の皆様、パートナービジネス事業本部の皆様にフィナンシャルクリエイト一同心より感謝申し上げます。

インタビューイー

楽天証券株式会社
 常務執行役員 アセットビジネス事業本部長 兼 コーポレート本部長
  由井 秀和氏

 ファンドアナリスト
  篠田 尚子氏

インタビューワー

株式会社フィナンシャルクリエイト
 代表取締役 髙塚 大弘

 アナリスト 西澤 佑介

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